札幌市・Yさん宅
藻岩山の山裾。南側斜面になった見晴らしの良い土地を見つけたところから、この家の構想が始まりました。斜面の下は木々に覆われていて、外からは室内が見られない環境だったので、カーテンのいらない窓(カーテンウォール)が可能でした。このおかげで、抜群のロケーションと冬季の十分な日射を確保。リビングから続く跳ね出しスラブのデッキが空間の広がりを演出します。
大きい吹き抜け空間と、南面の大開口を可能にしているのは、当社の特徴である「軸組み+接合金物(テックワン製)」と「2×6パネル」の組み合わせによるハイブリット工法です。カーテンウォールのフレームは、ホームコネクターというラーメン接合ができる特殊ボルトで固めています。軸断面にボルトが埋められていて、接着剤を充填し硬化させているので強度が高いです。そして、斜面での基礎の安定性を考慮し、杭を打って固めることで、地盤が緩んで地滑りが起こっても、建物本体にはダメージがないようにしています。
道産ナラの無垢床、ゼオライトの塗り壁、木酢液処理を施した道産トドマツの板張りなど、住まいの内外装には自然素材をふんだんに採用し、石油化学製品はなるべく使っていない健康住宅です。



吹き抜けのあるリビングの中心には薪ストーブが置かれている。札幌軟石の炉台がナラの無垢床に自然となじむ
ステンレストップのキッチンは、幅広サイズで作業がしやすい。背面には高窓を設置し、明るさを確保した
中央部のみ吹き抜け仕様で、開放感と落ち着きを兼ね備えたLDK
圧倒的な存在感を放つカーテンウォール越しに四季の移ろいが広がる
薪ストーブは炉壁を設けずオープンに。ストーブの熱は吹き抜けを伝って2階に熱を運ぶ
2階のオープンなフリースペースからも、カーテンウォールからの景色が存分に楽しめる。廊下の壁には本棚を造作した
広いウッドデッキとカーテンウォールがソトとウチをひとつながりに。トドマツの外壁も山の風景になじむ
正面にはカーポートを造作し、その屋根下に薪をストックしている