恵庭市・Aさん宅
新築にあたり、旅好きなAさんご夫妻がプランのお手本にしたのは、以前訪れて気に入っていた場所。Aさんは仕事で訪れたコスタリカの自然の豊かさを、奥さんはアフリカ・ウガンダのロッジの居心地の良さを思い浮かべました。
Aさんは、無垢材や皮革、珪藻土、アイアンなど、デニムのように経年変化で愛着を増す素材と手仕事を多く用いながら、遊び心のある空間にしたいと考えておられました。その象徴として、作品が気に入っていた鉄工芸作家に、手すりやテーブル、表札の製作を依頼。さらに、家で過ごす時間がより楽しくなるように薪ストーブやホームシアター設備を採用。室内とつながる外部空間も充実させたいと、庭や外構の整備も造園家に依頼しました。
共働きの奥さんは「間仕切りのないかっこいい空間を労せず保ちたい」と、収納スペースの充実と、効率の良い家事動線を希望されました。たくさん持っているアウトドア用品は、車庫にたくさんの造作棚を設けることで収納、積み込み、片付けができるように工夫。また、スキップフロアを採用した中2階の床下にも、大容量の収納空間を設えました。
2019年11月下旬、Aさん一家の新しい暮らしが始まりました。玄関と室内は間仕切りなくつながっていますが、主暖房に灯油セントラルの床暖房を採用しているので、室内は一日中ふんわりとやわらかい暖かさに包まれています。さらに、LDKと庭を望む大開口の間に設けた土間では、Aさんが「寒い季節の楽しみ」として採用した薪ストーブの炎が家族のオフタイムを温めます。ストーブのある土間は、そのままシューズクローゼットにもつながり、裏動線でパントリー、キッチンへ行くことができます。
庭の緑が美しい春から秋は、ウッドデッキでコーヒーを飲み、食事をとるのが家族の新しい習慣に。デッキに隣接するキッチンガーデンには、野菜やハーブがたくさん植えられ、食卓に季節の味と彩りを添えています。「思いがけずマイホームができたおかげで、旅に出られなくても、毎日がとても充実しています」と、奥さんはにこやかに話してくれました。