アース21 会長 菊澤 里志
株式会社 キクザワ 代表取締役
アース21本部事務所・事務局
〒061-1449
北海道恵庭市黄金中央2丁目3番15 株式会社キクザワ内
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 アース21は1994(平成6)年に札幌を中心とした工務店7社と数社の協力業者で発足しました。会の中心となる工務店の条件を、地域に根ざした工務店、いわゆる複数の地域で活動していない工務店としています。
 2016(平成28)年4月現在の会員数は、75社(正会員30社、準会員16社、賛助会員27社、アドバイザー2名)です。アース21会員の会社で建てて良かったと言われるよう、むやみに会員数を増やすのではなく、確実な仕事をしている会社、きちんと学ぼうとしている会社を会員として迎え、今後の着実な発展を目指しています。
 私たちが、なぜ「地域に根ざす」ことにこだわるのか。それは、その地域に「住む人」のため。地域に根ざしている会社にしかできないことがあるのです。その地域の気象条件、文化、歴史を知り尽くしているからこそ、最適なプランニングの提供ができます。さらに、住宅はお引き渡しをして完了ではありません。必ずアフターメンテナンスが必要になってくるものです。トラブルが起きた時、速やかに対応するためには地域に根ざすことが「住む人」にとってベストなのです。工務店は「住宅の赤ひげ先生」なる町医者でなければならないのです。しかし、これから住まいを創ろうと考えている人にとって、工務店がどれだけの技術・性能・デザイン性等にセンシティブであるかは、あまりにも情報が少なすぎます。
 この状況を打破するために、北海道・東北の地域に根ざす真面目な工務店が結束し、それをサポートする設計事務所、施工業者、納品業者、メーカーが集合してアース21の活動を積極的に行っています。

アース21の存在意義

 住宅会社は、「住む人」の想いを創り上げなければなりません。その想いは、住宅会社との出会いから、お引き渡し後、その家が朽ち果てるまでの間(100〜200年)続くのです。つまり、永続的にその想いを叶える義務があるのです。住宅会社の使命は、「存続」だと考えます。「存続」しなければ「住む人」の想いは「無」になってしまうのです。
 そのためにアース21の活動があります。私たちは、設立当初より今まで、工務店同士が互いに連携しながら情報を共有し、環境を守るという観点からセーブエナジーの推進や自然エネルギーの活用を積極的に行い、さらには経営力、技術力やデザイン力を研鑽してきました。加えて、建築現場を公開し合って、互いの良いところを吸収し、改善すべき点は指摘するという、現場における実務も共有しています。
 また、次世代に向けて、各会社のナンバー2で構成する「楔の会」を立ち上げ、後継者の育成にも注力。情報の共有や自身の研鑽だけではなく、工務店を経営する上での悩みや問題点の解決策なども、会員同士で相談し合い、乗り越えてきています。
 先にも述べましたとおり、工務店の使命は「存続」です。存続するために、楽しく工務店を経営する。楽しい住まいづくりをする。何事も楽しくなければ、長続きしないのですから…。
 大きな企業には難しいけれども、工務店だからこそできる柔軟性、小回り性を駆使し、会員同士の協力により、「住む人」のための家づくりを進めています。

アース21の20年間にわたる活動の歩み

将来を見据え、定期的に続けている活動
 1994(平成6)年の設立当初から継続して、毎年4月に定期総会と道内各地で年に4回定例会を開催しています。総会では有識者を講師に迎え、住宅生産などの基調講演を実施。2011(平成23)年度は新建ハウジング取締役編集長の三浦祐成氏に「地域に根ざし成功している工務店のノウハウと地域工務店の現在置かれている現状と課題」というテーマで講演いただきました。ほぼ2ヵ月おきに開かれる各例会では、開催地の会員の現場を中心に見学会と研修会を行い、会員の技術と知識の向上・底上げを図っています。見学は構造現場と完成現場の両方で行い、会員経営者だけでなく職人等もオブザーバーとして参加し、施工精度の向上や最新技術への対応など施工現場の問題点を徹底的に論議して優れた会員の技術を共有。断熱や換気、自然エネルギーなどの研究者や専門家による研修も行ってきました。また、住宅需要の減少にともない厳しくなる経営環境に対応すべく、厳格な経営管理と長期的視野に立った経営を目指し、経営コンサルタントなどを講師に招いて研修会や討論会も行っています。このように、定期総会・定例会を通してハードとソフトの両面で会員の向上のための活動を続けています。
 技術と知識の向上を図る研修は会員の中だけには留めず、2004(平成16)年7月には経営者・後継者の育成を目指す「楔の会」を設立し、9社が入会。年々厳しくなる住宅建築産業で地域に根ざした工務店が生き残り、高性能で長寿命な住宅を地域に提供し続けることを目指して、道内各地で毎年5回の例会を開いて現場見学など独自の活動を続けています。
活動は道外、海外でも
 前述の道内における定期的な活動に加えて、海外の最新技術や住宅施策、日本各地の住宅生産の状況を把握すべく、国内外で視察・研修も行ってきました。2004(平成16)年3月には10周年記念事業として北欧住宅視察を行い、スウェーデンでは建築設備等の展示会や現場見学、モデルハウス展示場、旧住宅街を視察。フィンランドでは現場見学、ログハウスを視察しました。2007(平成19)年にはドイツ建築の視察へ会員を派遣。耐震建築の研究と被災地支援にも積極的に取り組み、2004(平成16)年には新潟県中越地震の被災地を視察。2011(平成23)年9月にはアース21きたかみ(当グループの準会員で岩手県北上市を拠点にするメンバー)と協力して、石巻の東日本大震災での被災地を視察しました。アース21きたかみを通して被災地支援を行うため、軽トラック1台と燃料費、義援金50万円を贈りました。また、各会員が、被災地における住宅建設への協力など独自に支援活動を行っています。
地域に根ざした家づくりのために
 設立当初から「原価公開」を原則に、資材価格等の情報を会員間で共有して仕入れにおけるコストダウンを図ったり、建材を共同購入したり、ネットワークを活かした活動を行ってきました。こうした情報の共有は総会や例会での交流だけでなく、メーリングリストの運用によって日頃から会員同士の情報共有やコミュニケーションを活発に行ってきました。
 このような当グループのネットワークとしての活動を他の工務店や関係業者へ広めるため、1997(平成9)年2月から12月まで約1年間にわたり、北海道住宅新聞に「地域に根ざした家づくり」を連載し、地域工務店がネットワークを組んでハウスメーカー主体の住宅生産に対抗していく重要性を訴えました。また、「北国の家」(北国企画出版社)、「北海道の注文住宅」(リクルート社)、「健康住宅づくりIesu」(北海道住宅新聞社)、「リプラン」(札促社)などの住宅情報誌にグループ広告を掲載して一般ユーザーへの広報活動も行ってきました。
 インターネットの普及に合わせて2006(平成18)年よりホームページを開設し、会の活動の最新情報を随時発信。2007(平成19)年11月には当グループ独自の家づくり情報誌「House of Earth 21 北海道の建築カタログ」を発刊しました。北海道各地で会員が進めている地域の気候・風土に根ざした家づくりを一般ユーザーへ普及・啓発するため、2009(平成21)年「北海道の家づくりをリードする地場工務店グループ アース21」、2010(平成22)年「北海道の家づくりの現場から 2011年版」、2011(平成23)年「北海道の家づくりの現場から 2012年版」とほぼ毎年1冊ずつ発行を続けています。
 さらに、地域に根ざした家づくりを一般ユーザーへ直接PRするため、2011(平成23)年に「アース21 市民セミナー」の実施を開始しました。第1回は7月16日に「これからの住宅性能、CO2削減社会に対応した住宅」をテーマに苫小牧市で開催。今後も地域活動の一環として一般ユーザーへの普及・啓発を目的に継続していきます。
国や道が行う事業への積極参加
 前述のような継続的に行われる様々な活動によって会員の施工技術や経営管理能力などが向上し、現在まで多くの会員が国や北海道の補助事業へ積極的に参加しています。北海道が進めてきた断熱・気密性能が高く積雪寒冷地に適した「北方型住宅」の建設には早くから着手。国土交通省の平成20年度「超長期住宅先導的モデル事業」に採択された「北方型住宅ECO」の建設にもいち早く対応して実績を上げました。国土交通省の平成21年度「長期優良住宅普及促進事業」へはグループとして応募し、グループ会員28社全体で237戸、平成22年度にも216戸、平成23年度に203戸を供給しました。
 また、地域材を活用した住宅生産に関しては、2010(平成22)年に設立された、道産材を活用した2×4工法住宅を推進する「道産家(どさんこ)2×4推進協議会」を後援。当グループの会員が十勝産カラマツ等の地域材を使用したモデル住宅を建設し、同協議会とともに見学会などを行いました。さらに、国土交通省の平成22年度「木のいえ整備促進事業」へも積極的に取り組み、20社で計71戸、平成23年度にも22社で計67戸を供給しました。
新たなネットワークづくり
 20年近くにわたって北海道の工務店ネットワークとして活動を広げてきましたが、寒冷な北海道・東北で発展し省エネ・省CO2が求められる現代に対応した高断熱・省エネ住宅と、地域循環型の地域に根ざした工務店による住まいづくりを日本全国へ普及し、より広範な地域にまたがった工務店ネットワークの創造を目指して、2009(平成21)年に北方圏住宅サミット実行委員会を立ち上げました。翌2010(平成22)年2月20日、21日に第1回北方圏住宅サミットを開催し、北海道・東北で住宅生産に取り組む14団体、約300社が集まりました。国土交通省住宅局住宅生産課木造住宅振興室長(当時)越海興一氏の特別講演の他、来賓に北海道建設部住宅局長(当時)山田博人氏、社団法人全国中小建築工事業団体連合会会長(当時)青木宏之氏を招き、藤女子大学大垣直明教授、北海道立北方建築総合研究所居住科学部長(当時)福島明氏など研究者と工務店経営者が参加したシンポジウムと、各参加団体がテーマ毎に分かれた情報交流会を開催しました。このとき参加14団体で北方圏住宅サミット連絡協議会を設立し、国土交通省から公募された平成22年度「地域木造住宅市場活性化推進事業」に本協議会の「工務店ネットワークによるチームマイナス30%運動」事業が採択されました。事業の3つの柱である「行動規範・憲章」制定ワーキンググループ、「住まいづくり指標」作成ワーキンググループ、「住まいづくり経営者塾」の企画・運営に対して、当グループは主要メンバーとして参加。「住まいづくり経営者塾」を2011(平成23)年2月3日、4日に開催し、約80名が参加しました。この北方圏住宅サミット連絡協議会の活動を通じてオホーツク、函館の工務店との連携が強まり、これらの地域の工務店が2012(平成24)年度より当グループへ入会。北海道の工務店ネットワークとしてさらなる広がりを見せています。
 道内のネットワークを強化すると同時に、工務店の全国組織である一般社団法人工務店サポートセンター(JBN)との情報交流を行うことで住宅施策の最新動向へ対応しています。JBNに対して当グループから、有限会社住まいの相談室はしもと 橋本政仁氏(アース21相談役、前会長)が既存改修委員会、武部建設株式会社 武部豊樹氏が大型木造研究委員会の委員として参加。JBNとの協力の一環として、地域の木造住宅を建設・維持・管理していくために重要な施工品質を担保する工事管理実務の習得と、既存住宅に対するインスペクション(建物検査)の適正な実施を目指す「木造住宅・工事管理の実務」講習会を、2011(平成23)年12月19日にJBNとの共催で開催しました。今後、JBNとの連携をさらに強め、北海道と全国の工務店ネットワークを繋げる役割を担うことを目指しています。

アース21の現在とこれから

アース21では、2016年の総会において、以下の事業計画を決定しました。

  1. リノベーション情報の習得…住宅の基本性能を高めるリノベーション工事を推奨、既存住宅の価値を高めるための情報や技術、知識を習得する
  2. 価格調査及び購入事業の研究…建築資材を可能な限り低いコストで仕入れ、その分をお客様へフィードバック。安価で高性能な住宅の供給と各社の経営の安定を図る
  3. 若い世代の正会員確保…会へ新たな息吹を吹き込むと共に、情報や知識の共有を通して、工務店としての実力を育てる
  4. 市民セミナーの研究及びその実行…住まい手が求めている情報を把握、プロの観点から住まいづくりの重要性を呼びかける
  5. 職人の確保及び地位向上のための調査…若手職人の不足を解決するために大切な職人の地位向上を長期的な観点で進めていく
  6. ZEHテクニックの調査及び検討…国のZEH政策に積極的に取り組み、ノウハウを共有、技術向上を図る

 上記のように、将来アース21に必要なことを確認し、明確にして活動していくことが、お客様の理想以上の住まいを実現することにつながると信じています。また、現在の会員は団塊世代の経営者からそのジュニア世代まで、幅広い年齢層になっています。団塊世代のメンバーは若い世代に向けて過去の経験を生かし伝えていくこと。ジュニア世代は、まさにこれから家づくりをするユーザーと近い年齢層ですから、その世代の感性を先輩たちに伝えていくことが大切だと考えています。このように会員同士の情報をより密にすることによって、今まで以上に、大手ハウスメーカーでは実現できないような真に高耐久な住まい—高断熱・高気密性能、高い耐震性、高いデザイン性を併せ持った住まいづくりを実行し続けます。
 「住む人」が満足し、笑いの絶えない家庭を築くことができ、地域を活性化させて地元に貢献するために、アース21は団体として、また一会員としてさまざまな活動を続けていきます。アース21の今後に注目し、期待してください。

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